【重要なおしらせ】製造再開致しました

いつもお世話になっております。猪又酒造です。

報告が遅くなりまして申し訳ございません。

タイトルでも触れましたように1/17日より製造再開をすることができました!

大変ご心配をおかけしました。
以下に再開までの流れを説明させていただきます。
稚拙な文章ですが、確認していただけたら幸いです。

課題とその結果
課題① 三段仕込みの添をした状態で止まってしまった醪

醸造試験場の指導の下、酵母へのダメージを抑える為に出来うる限りの低温状態で保存。寒波の寒さを利用し、4℃程度まで冷やすことが出来ました。現在はその後の仕込みも完了しました。1/22、序盤の活性が弱いものの今のところは大きな問題なく推移しています。

課題② 使用することが出来なくなってしまった酒母
当初はそのまま搾る予定でしたが可能な限りの低温で引っ張る手段を選択。
酵母が弱り、活性がかなり低下することも考えられましたが添仕込み時の二日踊り等、酵母の活性を促す手段、温度等を活用した所、若干活性が弱い傾向はありますが大きな問題はありません。今後の様子を注視する必要有り。

課題③ 洗ってしまった酒米

約400キロありました。米の腐敗を防ぐために酒母立てをする二階の広間になるべく薄く広く伸ばし、扇風機を効かせながら水分を飛ばしました。
乾かす&冷やすを徹底。大寒波が来ていた影響もあり、かなり冷やすことが出来ました。
米は手にくっつかず、洗う前の様なサラサラとした状態。見た目の大きな変化や異臭等もありませんでした。

大切な酒米を廃棄すること無く使用することが出来ました。これはかなり大きかったです。

課題④ 製麹済みの麹

生酒貯蔵用の冷凍コンテナに麹用スペースを確保。密閉状態でマイナス4℃で保管しました。
使用後、特に問題はありません。

課題⑤ 釜周辺の水没により、バーナー設備の故障

すぐに連絡した所、定期的にメンテナンスをしていただいた業者様の会社に古いバーナーが一台だけありました。
ここが大きな大きな製造再開へのポイントとなりました。

急なお願いにもかかわらず、物流が停止していた為にバーナーを東京都から直接持ち込んで頂きました。
大雪の影響で通行止めが各所で発生し、すぐに搬入とはいきませんでしたが出来る限りの早急な対応をして頂き、本当に助かりました。

バーナーは火力に若干劣りがありつつも使用に問題はありませんでした。

水没したバーナーを点検して頂いたところ、残念ながら完全に故障しておりました。修理することも出来ないとのことでしたので、新品を発注することになりました。

課題⑥ 水没した炉が使用できるのか
点検していただいた結果、水がかなり入り込んでいる状態ではありますがバーナーの炎で地道に乾かせば問題無いという判断を頂きました。

臭いと湯気が仕込み蔵の中に入らないように戸を閉め切り、人間の出入りも裏口から入るようにしました。

業務用扇風機を何台も設置して、空気の流れを外へ向かうように誘導し、完全に乾くまで待ち続けるような形でした。

乾きの効率が良くないようで、もしかすると炉の内部で破損している箇所があるかもしれないとのことでした。仕込み終了後に和釜を片付けて、改めて内部を確認することにしました。

炉を乾かしている時の煙突です。

課題⑦ 浸水による場内の汚染
被害が広範囲とはいえ、コンパクトな酒蔵ですので社員総出で殺菌、清掃を行い、完了しました。

多くの方々に早急な対応、協力をして頂いた結果、当初の想定よりは被害を抑えることが出来ました。本当に感謝しております。

既存商品への影響が無かったこと。設備への影響も少なかったこと。代替のバーナーが一台だけあったこと。もしなければ新品を1から製造することになり、製造再開はずっと先になっていたと思います。運が良かった面もあるかと思います。

想定よりも大分早く製造の再開が出来たことに心より安堵しております。

また、目には見えない微生物の力に感動しました。

皆様には大変ご心配をおかけしました。
多くの温かい励ましのお言葉、ご支援。これほどまでに反響があったことに驚きましたし、おひとり、おひとりに猪又酒造を支えて頂いているということを改めて感じました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

おいしいお酒をつくりつづけます。頑張ります!
これからの猪又酒造のさけづくりを宜しくお願い申し上げます。